小売業界の正社員として現状の実感。
酒販店で勤務していて、酒の需要が減ってきているのを感じます。
『宅呑みが増えているから、儲けてるやろ?』
とよくいわれますが、そもそも酒離れが加速している中
需要が伸びる理由があまりないのです。
ただ、私の会社は前年を超える収益を得ることができたようです。
私の給与は増えませんでしたが。
では、何故、昨年好調な利益を得ることができ、
だからといって、需要が伸びることがないと思うのか。
簡単に述べていこうと思います。
酒販店ロスジェネ社員が現状を考える
店売りはある程度堅調。だけど…
1月8日、都内で開かれたサントリーの2021年の事業方針説明の質疑のなかで、
1回目の緊急事態宣言下で起こった「アルコール需要」の変化について、
サントリーBWSの鳥井信宏社長はこう振り返った。
2020年は、酒類業界としても激動の1年になった。
端的に言えば「個人需要が前年増」の一方「外食などの業務用が激減」した結果、
「酒類総市場は前年に対して7%程度減少した」(鳥井社長)。
1度目の緊急事態宣言当初の苦しさは、「前半戦は非常に苦労した」
(サントリービール西田英一郎社長)という言葉に滲み出る。
businessinsider Jan. 08, 2021より引用
酒販だけで考えれば、前年比90%程度。
食料品やソフトドリンクの特需があった為、その分を穴埋め。
2020年の『実店舗』の売上・利益は、前年超えを達成することが
できたようです。
外出できない、といっても最低限の食料品は必要なので
今後も大きく売り上げを落とすとは考えにくいと思います。
今後の成長はあまり見込めない。
自粛が長く続く状態で
飲食店はどんどん潰れていっています。
例えば昨日までお客様に提供できていた
日本酒・ワイン・ビール…
明日から提供できないからといって
劣化が待ってくれるわけでもありません。
当然廃棄です。
(保存状況次第ではありますが…)
万が一、明日、この感染症がどうにかなったとして
もう潰れてしまった飲食店が、もう一度
チャレンジすると思いますか?
自粛疲れで外出を控えなくなった世間に
買い溜めなどという思考はもうないと思います。
前年の売り上げを割り込むのは必至。
実店舗も昨年を超えることはおろか、
普通に粗利を出す事も叶わなくなってきました。
社会的インフラとしての酒販店
食料品スーパーに行くほどの食料品が必要なわけでもなく、
毎日の晩酌を楽しみにしている方。
コンビニでは、商品一つ一つが高額なため
手頃な価格で買えるお店をお探しの方。
酒販店はこういった方に需要があるでしょう。
ただ、限定的な需要のため、そこまでの成長が
見込めるとは思えません。
そもそも嗜好品であるなら、店まで買いに行く
必要すらないのです。
専門的な知識が無い従業員を多くそろえただけの
量販店になど、お客様は行かないでしょう。
高齢化が進み、車から離れていく方が増える中で
どういった差別化が行えるのか。
現場にいる私は、甚だ疑問に感じるのです。