小売店勤務のロスジェネ世代が退職したら

2020年から続く不景気により、45歳以上の早期退職が迫られています。
また、どの世代であっても減収している人の方が多いのではないでしょうか。
とはいえ、まだ収入があるだけマシという考え方もあります。
ロスジェネ世代と呼ばれる年齢層は、今や最大の労働人口ボリュームゾーンであり
子育てをしている世代でもあります。
子育てをしなければならないのに、収入の減少。
生活をよりよくするために、転職を視野に入れることもあるでしょうが、
もし、転職先を決める前に退職してしまったらどうなるのでしょうか。
今回はこれについて話していきたいと思います。
小売を退職したロスジェネ店員の末路
年収の減少は当然
まず最初に、もうこの段階で何らかのハラスメントや命の危険を感じるような状態で
ある方は、即刻退職してください。命にかかわりますので。
それとは別で、現職では居場所がないという場合は
『ちょっと待って!』って話なんです。
厚労省が発表している令和元年賃金構造基本統計調査によれば、労働人口である20代~50代
までの年収の中央値は、240~456万円の間に収まっていると発表されています。
令和元年(2019年)の男性の年収の中央値は356万円です。
年代別の年収の中央値は以下の通りです。

次に、令和元年(2019年)の女性の年収の中央値は272万円です。
年代別の年収の中央値は以下の通りです。

この中央値を見て、自分の今の収入がどの水準であるか考えてください。
余程のスキルや経験でもない限りは、中央値まで下がると考えていいと思います。
職種は選べない
大手企業であっても、早期リストラを進めています。
このような感染症が流行る前から『黒字リストラ』は話題に上がっていました。
そこへきて、この不況。
純粋に『金持ちが金持ちになっただけ』の政策を打ち続けた日本政府は
もう、中小企業を潰しにかかっているかのように見えます。
そうであると同時に、高齢化は進んでいますし、建物の老朽化も進みます。
おのずと求人をしている業態は決まってくるのです。

インターネット関連の業態は分かりますが、メーカーやコンサルティング・メディカル
といった業態は基本的に経験者しか募集していません。
ロスジェネ世代が早期退職や年収アップを目指して現職を退いた場合、未経験の分野
も視野に入れていかなければならないかもしれません。
建設・不動産は人を集めることの厳しい業態でもありますし、未経験可である場合が
多くあります。高収入が目指せますが、年齢的に肉体労働は厳しいかもしれません。
小売・サービスは、要は誰にでもできるという点が挙げられます。
ただし、スキルアップはまず見込めませんし、年収は確実に下がります。
もともと年収の高い業態ではありませんから。
年齢の壁が確実に存在する
退職から始める転職活動の場合、
①年収が上がる・理想的な企業に応募する。
→そういった企業はとっくに人員整理が終わっている。
②年収だけでも希望に叶う企業に応募する。
→仮に内定が出ても、肉体的についていけそうにない。
③長く働けそうな企業を選ぶ。
→大体、書類選考を通過することはない。

上記表は『転職ハック』様より転用いたしました。
30代に対して40代の転職が3ヶ月で決まる期間が最大26%も下がってしまいます。
ロスジェネ世代は、転職市場からも弾かれてしまっています。
小売を退職したロスジェネ世代は先に転職を決めてから
小売業界から抜け出しても、何年働いてもスキルが身につかない業界では
転職するのも困難であることは想像に難しくありません。
特に年齢が40を超え、しかも一番人口の多い世代であれば尚更です。
転職市場に身を置けば、どの程度の年収が望めるかが分かります。
今の自分がどう評価されるか考えれば、転職をするべきかどうか分かりますし、
転職するのであれば、先に就職を決めてからになりますね。
どうか、自分の人生を悔いなく過ごせるように頑張ってまいりましょう。