底辺小売でも専門店店員なら、知識は豊富。

『あの日本酒、高いけど、別にって感じよな』『ちょっと雑味があるよね』
なんて会話を普通にしながら、もうかれこれ20年。店舗の事務所に籠るわけでもなく、本部に行って
ふんぞり返って数字だけで話すわけでもなく、常に最前線で働いてきました。
メーカーからサンプルを渡される機会もあんまり無いので、基本的に酒の味は自腹きって覚える。
よく分からないお酒も、自分で調べる。何かに忖度するわけでもない。
売らなければならない商品はあれど、美味しくなければ強くは勧めない。自分の信用が無くなるから。
そういう事をずっと続けていたら、同僚の中でもある程度、酒の知識のある方になっているのは
知ってはいましたが、基本的に皆同じようなことをしているので飛びぬけて知見があるわけでもない。
そんなに大したことない。
なんて自己判断は大間違いだったようです。専門店で働く店員はググるより早くアドバイスできます。
って話を具体的に解説していきたいと思います。
小売の底辺が専門的な知識を持っている…んですよね。
給料は低い…けど高い酒にも詳しい
私は酒販店員ですから酒に関しては詳しいです。『安月給じゃこんな高い酒知らんだろ』って思い
ますよね?知ってるんですよ。意外と。多分、多くの方々より。
そしてこれは、どの専門店の店員であっても同じだと思います。
何故か?それはアンテナの張り方が全く違うからです。どのような新商品が現れたとしても、必ず
その正体を突き止めます。
酒であれば、良い酒を呑ませてくれる店を知っているので飲みに行きますし、何人か集めて共同購入
することもあります。酒のイベントには顔を出しますしね。
自ずと経験値も上がりますので、自分の店にあるお酒程度は大体分かります。
どの様なお酒も、毎日関わりますので…
自分の仕事場にあるものであれば、毎日触りますので名前なんてもちろん覚えます。
同じ系列の会社が出しているお酒でも、アレンジ版がでれば調べます。それこそググりますね(笑)
余程のマニアな方でない限りは、知識量で負けることはないです。
これも、どの専門店の店員でも同じことでしょう。
少し前までは自腹で本を買わなくてもよかったのに、今は本も自腹なのが残念です(笑)
小売店員は10時間以上働くことは普通なので、家族より長く商品を見ています。
結果、弱点が一つ存在します。
メディアで紹介された酒が分からない
ときどき『今さっきテレビで紹介されていたお酒が欲しい』という問い合わせがあります。
はい、これ、無理です。
だって仕事中にテレビ見てないですもの。ラジオもましてやYouTubeなんて…
リアルタイムの情報には極めて疎いです。これは本部の暇な社員が教えてくれるのを待つか、
その日、休みだったスタッフに後日聞くことができたりします。
けど大体すぐにはわかりません。そしてこれが一番問題なんですが、
頑張って数を仕入れても、メディアで紹介された商品は一週間と経たずに売れなくなります。
お客様は欲しいタイミングにないと怒りますが、そのタイミングを越したら、不要なんです。
結果として、会社側も商品を仕入れる量が少なくなります。
で、商品が足らなくて、怒られるのは現場です( ;∀;)
小売のおっさん店員も意外と専門的ってことです!
最近はインターネット通販で買い物をする消費者も増えています。家電などの商品によっては、
リアルの店舗で買うよりネットで購入した方が安いというケースも多いです。それでも店舗に
わざわざ足を運んで買い物をする消費者が多いのは、実際に店員から商品説明を受けたり、
商品選びの相談をしたいという気持ちがあるからでしょう。顧客と直に接することができる店頭
でのサービスは、ネット通販に対抗できる固有の強みといえます。この点からも、接客力の向上が
一層求められているのは確かです。専門店の場合はフレンドリーな接し方のほうが好まれるかも
しれません。かしこまっても、気さくすぎてもよくないので、お店のカラーに合っているかを
チェックしたほうがよいです。いずれにせよ、「顧客を喜ばす」「顧客に感謝される」接客
サービスを社員一人ひとりが身につけることが重要となります。これからの時代、リピーター
を増やし、来店客を増やして業績アップをはかるには、何よりそれが欠かせません。そして小売
の店員は意外と専門的な知識が豊富であるという事を知っておいてください。