退職代行を氷河期世代が利用するのはずるい?リストラ対象なのに、辞められない…

黒字を計上しておきながら、一部の企業では40代までリストラの対象として早期退職を募集するように
なりました。今更ロスジェネ世代の採用を「予定していない」ということに驚きはしませんが、
「やっぱりか」という落胆を覚える人も多いのではないでしょうか。
「あれだけ人手不足人手不足と言っていたのに、今度は人手が余ってる。」
コロナ禍で雇用が不安定になる中、“人減らし”が加速しています。
ロスジェネ世代も退職代行活用で転職を。
お前の代わりはいくらでもいる、と
人材は新卒や中途採用で補充しても、すぐに現場で役に立つわけではありません。ある程度の育成期間が
必要となり、それ相当のコストもかかります。そういったリスクを回避するため、会社は人材流出の
引き止めに躍起になります。
特に、人材が不足しがちな中小企業や人材が集まりにくい部署に在籍しているなら方なら、尚更引き止め
られるでしょう。人材不足は業務を教える側にも言えます。近年、大手・中小問わず、企業の指導者不足が
懸念されています。人員が限られている中小企業ならさらに深刻です。そのため「新しい人へ仕事の引き継ぎ
が終わるまで、転職をしないで欲しい」と遺留されるケースが目立ちます。
『お前の代わりならいくらでもいる。やめたければ辞めろ』
そう言われていたのに、いざ辞めるとなると時間を稼がれます。
在職中に転職活動するのは基本なので、辞職は突然に決まっているのに…
氷河期世代を優先させようとする政府
生活保護に必要な追加支出は20兆円程度――。
これは今から11年前の2008年に、NIRA総合研究開発機構が報告書の中で、「氷河期世代がこのまま
高齢化すると……」という前置きで示した数字です。
就職氷河期に増加した非正規雇用者は、100万人を上回る規模で残存していました。低賃金かつ不安定。
十分な年金が確保されない非正規雇用の人たちが高齢化すると、生活保護受給者が増えることが予想され、
「20兆円程度の追加的な財政負担」が発生するという試算結果を提示したのです。
そんな中、安倍晋三(当時)首相は2020年3月、「社会がつくった氷河期世代」の支援に、国を挙げて取り組む
ことを指示しました。「わが国の成長・発展を支える原動力は人だ。人的資本の形成・蓄積を加速するととも
に、人材を有効に活用していくことが重要。本年の骨太方針に位置付けてほしい」と述べたと報道されました
が、本気で「社会がつくった氷河期世代」の不遇さを改善してくれるのでしょうか。甚だ疑問です。
もちろん何もしないより「まし」かもしれません。
しかしながら、厚生労働省がスタートさせた「就職氷河期世代の人たちを正社員として雇った企業に対する
助成制度」の利用率はわずか「1割未満」です。惨憺(さんたん)たる結果です。
勿論スキルの習得などの学び直しは必要です。しかしながら、40歳を過ぎると年老いた親の問題が加わり、
じっくりと就職活動する時間的余裕も、スキルや資格取得に費やす時間も金銭的余裕も制限されます。
政府の思惑通りに、簡単に事は進まないのです。
少しでも早いリスタートを考えるのであれば、退職代行を利用してもいいと思います。
人手が無いところは本当に無い
不景気に拍車がかかると、働き方改革派後回しにされてしまいます。それと同時に予想される就職氷河期が
来ると、今度は「正社員にするから死ぬほど働け」というブラック企業が増えてくることも考えられます。
売り手市場だった直近10年でブラック企業はかなり減ってきたましたが、2021年以降はブラック企業の時代が
来るかもしれません。ただ、そんな企業に耐えきれず新たな職場を探す人も増えてきます。
実際、現在の就職救済として動いている企業は飲食・農業・小売など、元から人気のない企業ばかりです。
焦らない様に、急ぐ
転職する会社が決まらないうちから退職を申し出たら、「行き先も決まってないことだし引き止められる余地
がある」と思われ、あの手この手で引き止められます。また、転職先が決まってないと自身も不安になり、
転職・退職について迷いが生じ、結局ずるずると現職に在籍してしまうことが多々あります。できれば、転職
活動自体を会社には秘密裏に行い、決まってから上に退職の意向を申し出てすることがおすすめです。
上司に口で辞めると言っただけでは、後で「言った」「聞いてない」の応酬に発展することがあります。
ですから、口頭で辞めると上司に告げるのと同時に退職届も提出しましょう。退職届けには提出した日付と
退職日を明記しておけば、いつ退職の意思を会社に示したかの証拠となります。
辞めるのにあせって、また条件の悪い会社に勤めては仕方がありません。できるだけ時間をかけて
見定めて、ご縁があった場合は逃さない様に。辞める会社のことなど考える必要もありません。
どうしても引き留めが強い、有休消化ができない等の場合はこちらの記事が参考になります。
自分の人生の大半を捧げたのです。もらえるものはもらいましょう。