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小売は底辺。なんで?どこでもあるから?酒屋は?

2020 10/28
小売は底辺。なんで?どこでもあるから?酒屋は?

小売業は底辺職。なんでか解説します。

どこにでもある、『お店』。

小売業が底辺職なら、皆さんの周りのどこでもある店は底辺という事になります。

なんで?

どこでもあるから?

特に専門店は厳しく、私の働く酒屋はお酒をどこでも購入できるようになったので大変です。

ここでは小売業が底辺職といえるのか、その実態を20年間小売店員として働いてきた私が

その理由を解説しますので、小売業を本業にしようと考えている方は参考にしてください。

目次

小売が底辺となんで言えるのか。

休日が少ない

一般の社会人であれば、年間休日の平均日数は120日といわれています。 1年間にある土日休みや祝日、

年末休暇などを合計した日は120日前後なので、「完全週休2日、祝日、年末休暇」という会社では

だいたい平均通りにお休みが取れるはずです。

小売の場合、これがまずありません。

厚生労働省の調査では

小売業が106日という平均が出ています。

これは政府の調査ですので、次に転職サイトDODAの調査から見てみましょう。

量販店なら112日。コンビニなら95日と普通に年間土日祝を足した96日以下の休日しかないのが分かります。

更に、小売は自分が休日でも店舗は営業していることが多く、どこでも個人に連絡が頻繁に来ます。

休みの日にスマホをずっと手放せない状況になります。

給料が少ない

年齢が若ければ、今後の昇給・出世を考えて多少の給与所得が少ないのは目を瞑れるかもしれません。

しかし、氷河期世代と呼ばれる30代後半から40代後半はどうでしょうか。

単身であれば家庭を持ちたいと思う人もいるでしょうし、

家族がいれば養わなければなりません。

ここでも転職サイトDODAの調査から見てみましょう。

40代くらいであれば500万年収があるかどうかというところでしょうか。

役職次第ではこれ以上もあり得ます。

では、小売はどうでしょうか。

これも当然役職によるでしょうが、大体330万円くらいですね。

平均的な仕事より150万円程年収が低いことが分かります

不規則な生活になる

コンビニなどでは24時間営業が見直される等、労働時間の制限がでてきました。

ですが、基本的にお店は10時間以上開店している場合がほとんどです。

通常、個人の労働時間は8時間(休憩1時間)とされていますが、

店が10時間以上開いていて、店員が8時間しかいない訳がないですね。

交代勤務にすればよいことですが、日本は企業物価指数で1991年11月以降、GDPデフレーターで

1994年第4半期以降、消費者物価指数で1998年9月以降デフレとなっています。 1997年(平成9年)の

消費税等の増税・歳出削減などの緊縮財政により日本の消費者物価上昇率がマイナスになり、

デフレの様相を呈するようになりました。

要は物価が10年以上下がり続けているのです。

そこを埋めるためには仕入れの工夫(大量仕入・条件仕入)や、物流の効率化等がありますが、

人件費の削減が最も効果的で、小売はそれを率先して行っています。

社員削減により、1店舗に1人社員がいるかどうか。殆どの店舗スタッフはアルバイト・パートの方です。

安定的にスタッフがいるわけではないので、サービス・店舗管理の低下につながります。

「店員の態度が悪い」とよくいわれますが、人手不足も要因の一つです。

拘束時間が長く、決まった休みも無い為、体力・気力共に疲弊を極めます。

専門店である場合、私の勤務先は酒屋なのですが、酒を知らないスタッフが多くなります。

アルバイト・パートの方に専門性を要求するのは難しいと言わざるを得ません。

小売は底辺。本職にしてはいけない。

最近、客から従業員への恫喝や理不尽なクレーム、過剰な要求などが「カスタマーハラスメント(カスハラ)」と言われ、

社会問題となっています。メディアで報道される機会も多く、被害に遭っている従業員は相当数あります。

先に挙げた、休日が少なく、給料も少なく、心身共に疲弊している中でカスハラは相当堪えます。

人手不足問題の要因は、作業する人の処理能力にあるケースが多いという方もいますが、接客業である以上、

自分の段取り、ペースで仕事をすることはできません。全てお客様中心です。

チームの処理能力が一定以上の状態であるにもかかわらず、作業を処理しきれない状態になっている。

それにもかかわらず人件費を削減する状態。これこそが本当の人手不足であると考えるべきです。

お客様から見て「暇そうに見える店員」は、暇などなく「いつになったらあの仕事が出来るのか」と

内心焦っている状況がほとんどです。

今回の感染病の際にも、本部はリモートワーク化し、自分たちは安全なところから、現場には

「マスクをしろ。消毒をしろ。規則正しい生活をしろ」と精神論ばかりで

マスク一つ送ってくることはありませんでした。

(一部サービス業はマスクを配布し、本部の店舗巡回を中止したと聞きます)

小売大手イオンでもインフルエンザが流行るシーズンにマスクを付けるなと指示しています。

新卒で小売業を選ぶのは、それが夢であった場合を除いては、止めておくべきです。

やれもしない夢のような話を説明会で聞かされても、本質はネット上に溢れています。

騙されないでください。スキルは全く身に付きません。

私は若い方から年配の方まで、小売に疲れ果てて辞めていく人をたくさん見てきました。

人生の貴重な時間を無駄にしないでください。

どうしても、職がないという方は、覚悟を決めださい。

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