MENU

香港の今。周庭氏を国家安全法違反の疑いで逮捕。香港紙「リンゴ日報」創業者も。

2020 8/11
香港の今。周庭氏を国家安全法違反の疑いで逮捕。香港紙「リンゴ日報」創業者も。

香港国家安全維持法違反の疑いで逮捕相次ぐ。

香港警察は10日夜、「民主の女神」と呼ばれる民主活動家・周庭氏を国家安全法違反の疑いで逮捕しました。

また、香港では10日、中国共産党に批判的な論調で知られる香港紙「リンゴ日報」の創業者で民主派の重鎮、

黎智英氏ら9人も逮捕されていて、国家安全法の施行後、民主派への締め付けが一段と厳しくなっています。

香港は中国になろうとしています。

もともと中国?

そう、もともと中国かもしれません。ただ、香港は英国から返還を受ける際、一国二制度を約束しました。

一国二制度とは中国の一部である香港に、中国本土とは異なる制度を適用することを指します。

1997年7月に英国から返還された香港に対し、中国は外交・防衛を除く分野で高度の自治を50年間維持する。

そういう話が付いていたはずです。

目次

国家安全法の香港への適用

しかし中国は、香港に対し、2020年の全国人民代表大会で、反体制的な言動を取り締まる「国家安全法」の香港への導入に

関する決定(中国語版)が採択されました。

要は中国(中国共産党)の支配下に入れ、という事です。

これでは、香港はただの中国の一地方になります。

勿論、香港の人がこれを望んでいるのであれば問題ありません。問題なのは、『まったく望んでいないから』です。

英領香港の最後の総督を務めたクリストファー・パッテン男爵は「中国は新たな形で独裁政治を進めている。

香港の市民は裏切られた。つまり中国は信頼に足る相手でないことを(自ら)証明したわけだ」などと発言し、

英中共同声明に違反する可能性にも言及しました。

また、国連にも登録されている英中連合声明に基づく国際的な義務に直接抵触するなどとして中国当局を非難する声明を

イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリアが共同で発表しています。

香港紙「リンゴ日報」創業者の黎智英を逮捕。

また、2020年8月10日、中国に批判的な論調で知られる香港紙「リンゴ日報」創業者の黎智英(ジミー・ライ)元会長を

香港国家安全維持法違反容疑で逮捕しました。批判的な文面を書くことで警察に捕まる。

言論弾圧は、民主主義では起こらない行動です。

香港警察によると、10日朝、39~72歳の男性7人を逮捕しました。容疑は、外国勢力と結託し国家の安全に危害を

加えたなどとしていますが、具体的にどのような行為が容疑になったのかは不明です。警察は逮捕した7人の名前を

公表していませんが、リンゴ日報は黎氏のほか、その息子や同社幹部だと報じています。また警察は同社の家宅捜索

を進めているといいます。

黎氏は民主派の支持者として知られています。昨年7月には米国のペンス副大統領、ポンペオ国務長官と相次いで会談し、

「逃亡犯条例」改正案の撤回に向けて支援を要請していました。

香港の次は、台湾、尖閣諸島…

新型コロナウイルスの感染拡大で世界情勢が大きな変化を迎えているなか、中国の積極的な外交戦略が注目を集めています。

マスク外交によって存在感をアピールし、日欧に対して懐柔姿勢を示す一方、強硬な姿勢は「戦狼外交」などと呼ばれ、

米国をはじめ西側諸国との亀裂を生んでいます。

台湾にも中国は、国共内戦の延長として台湾を武力で「解放」することを目指していました。しかし、1978年11月、

改革開放を推し進める鄧小平は、台湾(中華民国)の現状を尊重すると述べ、同12月にはこれが中国共産党の

第11期中央委員会第3次全体会議にて文書化されました。1979年元旦、全国人民代表大会常務委員会は、

「台湾同胞に告げる書(中国語版)」を発表し、三通によって平和統一を目指す姿勢を示しました。

台湾に対する政治的介入も止むことなく、第三国からの言葉があるごとに、『内部干渉』といってはばかりません。

日本に対しても、尖閣諸島は中国のものであるかのような振る舞いが、連日続いています。

このまま、ウィグルやチベットの様にじわじわと押しつぶされてしまうのでしょうか。

目次
閉じる