貰い物のウィスキー。20年放置してたけど大丈夫?
お片付けシーズン。
この頃になると、時々お客様からこんな質問があります。
押し入れから飲まないお酒が出てきたんだけど…まだ飲めるの?
お酒によって変わるので、一概には言えませんが、
まあ、大体飲めるのは飲めます。
ワインや日本酒などの『醸造酒』は
先に別記事で書いてあるので、読んでみてください。

今回は『蒸留酒』について話してみたいと思います。
蒸留酒の歴史は古く、ウィスキーが先か、白酒が先か、はたまた泡盛が先か
なんて話がでるくらい、多数の起源説があります。
とにかく、不純物が混合している液体から
純度の高い液体を取り出す過程を経たお酒といえば、
いいでしょう。
小学校の理科の実験でもやりましたね。
不純物が無いなら(少ないなら)『劣化』しないのではないか?
と思われた方。
おおむねその通りです。
とは言え、何も起きない訳ではないので
順を追って説明していきたいと思います。
蒸留酒の『劣化』と『熟成』について

蒸留酒を知りましょう
先ほどから出てくる『蒸留酒』
そもそも、その種類を知っていないと話が伝わりにくいです。
ので、サッとご紹介いたします。
●ウィスキー(バーボン・コーン・カナディアン等々)
●ブランデー(コニャック・アルマニャック)
●スピリッツ(ウォッカ・ジン・ラム・テキーラ等々)
●焼酎(甲・乙・泡盛も含めます)
他にもアクアビット等、細かく言えば沢山あるのですが、
これらは全部、スピリッツか焼酎に含めてしまいますね( ´∀` )
とにかく『蒸留』していれば、『蒸留酒』です。

天使が飲みすぎ!
蒸留酒が『劣化』していると思われてしまう一つの要因が
液量が減っている(目減りしている)ことだと思います。
これは普通に蒸留酒を『熟成』させている時にも起こる事なのですが
蒸留酒は少しずつ目減りしていきます。
液体の蒸発が起こるからで、欧州でも2~4%くらい。
台湾や沖縄等、気温の高いところならば10%以上、
液体が減っていきます。
これを『天使のわけまえ』『エンゼルズ シェア』といい、
長期間の熟成をした蒸留酒が高額になる要因の一つになります。
100あったお酒が、毎年4%位減っていったら…
そりゃお酒1本造るのに、どんだけ天使が飲んでいってるんだよ!
って感じになりますよね。
天使って、お酒飲み…( ´艸`)

蒸留酒保管の注意点
『天使のわけまえ』自体は、醸造酒でも起こる事なのですが
蒸留酒ではこれが顕著に出ます。
アルコール度数が高いためでしょう。
光・振動・温度による『劣化』も起こりますし、
瓶詰めしてからの『熟成』が起こらないのも同じです。
ただ、醸造酒ほどの『劣化』はないので、
ある程度は安心していいですよ!

やはり基本は『冷暗所』!
蒸留酒は『劣化』に関しては比較的強いお酒です。
ですが、だからといって日光の下にずっとお酒を晒しておくとか、
気温の変化が激しい屋外に放置してはいけません。
また、多少目減りした蒸留酒であっても、飲用には十分に耐えますので
安心してお楽しみください。
蒸留しているとはいえお酒はお酒。大切に扱って下さいね!
蒸留酒は自分のペースで飲めるお酒です。度数が高いので体には気を付けて楽しんで!